サッカー監督の基礎知識

【2023年度】国内・海外サッカー監督のライセンスまとめ

日本国内のライセンス(資格・制度)

Jリーグ発足(1993年)から日本サッカー協会がプロの指導者育成を目的に定めた指導者のライセンス制度があります。Jリーグトップチームの監督ともなれば公認のS級の資格取得が必須条件となっています。

種類

S級 日本代表監督、Jリーグ、WEリーグの監督が可能。
A-pro 2021年に新設。WEリーグの女性指導者を対象としたライセンス。
A級(ジェネラル) 第1種登録チームのサテライトやJFL、なでしこリーグの監督が可能。またJリーグトップチームのコーチも可能。
A級(U-15) U-15年代の指導者ライセンス。
A級(U-12) U-12年代の指導者ライセンス。JリーグクラブやJFAで該当年代を指導する際は必要になる。
B級 第2種登録年代以下の監督・コーチ、スクール指導者、地域リーグ監督、なでしこチャレンジリーグの監督が対象。
C級 第4種以下の指導者養成。指導者の基礎部分を習得。
D級 C級の内容を短縮したもの。基礎中の基礎を2日間で取得できる。

費用

受講料のみまとめています。交通費などの実費は別になるようです。S級などそれなりの期間を要するものはそれだけコストもかかってきます。

S級 330,000円(税込)
A-pro 不明
A級(ジェネラル) 165,000円(税込)
B級 110,000円(税込)
C級 約5万円程度
D級 約3万円

難易度

C級D級は地域への普及が目的のため取得ハードルは低いです。B級あたりから徐々に難易度も高くなっていき、A級以上ともなるとさらに倍率も上がってきます。

S級 スーパー高い
A級ジェネラル取得かつS級トライアルも合格しないと講習受けられない。相当高いハードルです。
A-pro 不明
A級(ジェネラル) かなり高い
都道府県のトライアルに合格、さらに地域ごとのトライアルに合格しなければそもそも受講できないという狭き門になっている。
B級 高い
CDと比べると一気に難易度・費用が高くなります。座学に加えて実技も必要。試験も指導実践や筆記試験を受けます。
C級 低い
そこまでハードルは高くない
D級 低い
かなりハードルは低い

日本代表出場歴によってA級取得条件が一部免除される

2021年にライセンス取得条件が一部変更となり、B級取得時の成績と日本代表の20試合出場があれば、1年以上の指導実績という条件が免除となっている。欧州の若手監督台頭の流れを組んでいると思われる。

日本国内のライセンス制度の課題

S級取得者である岩政大樹は、取得過程で地域リーグや講習会を経験してきている。その中で、制度だけあっても指導者を育てる環境としてはまだ弱く本質的ではない方法論で落とし込む現場を度々見てきたことを危惧している。また、本田圭佑はライセンス不要という立場を明確にしているうちの一人。会社のCEOが免許不要なように監督も必要ではない。プロライセンス制度はメリットが少ないと名言している。行動や発言に違いはあれど、2人に共通しているのは日本サッカーが本当に強くなるためにはという視座視点の高さがあるのかもしれない。

海外のライセンス

UEFAライセンス

UEFA発行しているヨーロッパ(UEFA加盟国)のプロクラブで監督をするのに必要なライセンスのこと。1997年からスタートした制度。B、A、プロ、育成年代、GKと分かれており、特にプロライセンスはハードルが高いと言われている。

受講料も日本円で100万超となり、日本のS級より費用がかかる。

参考URL

日本サッカー協会指導者ライセンス
2022年度 公益財団法人日本サッカー協会 S級コーチ養成講習会 開催要項
2021年度 JFA A級コーチジェネラル養成講習会 開催要項
2020-2021年度 公益財団法人日本サッカー協会 Associate-Pro(A-Pro)コーチ養成講習会 開催要項
2021年度 JFA B級コーチ養成講習会 開催要項【公益財団法人日本スポーツ協会公認コーチ3】
日本とどう違う?濱吉正則が教えるUEFA監督ライセンスの仕組み