上昇志向の戦術家、フォーメーションは始まるまでのお楽しみ
監督経歴
怪我による引退後、20代で指導者への道を目指す。マインツのユースで頭角を現し、36歳でトップチームの監督としてキャリアを積み始め、マインツ、ドルトムント、PSGで成功を収める。
マインツという恵まれた環境
アウクスブルクからマインツU-19ですぐに成功したのは、アリゴ・サッキのゾーンディフェンスを系譜しているランゲニックの影響もあったとみられる。つまり戦術的な親和性も高く育成とコンセプトが合致していた。クロップ始め優秀な指導者が続々と排出されるのはクラブの環境やコンセプトにも要因があると言えるだろう。
戦術だけではないコミュニケーション能力
戦術的な部分での評価にフォーカスされがちだが、マルチリンガルによるコミュニケーション面での能力もビッククラブを率いる上で大きな武器になっている。英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語を操る。
チェルシー就任後に見せた戦術柔軟性
フランク・ランパードから引き継いだ2020-21シーズンのチェルシーは10位と低迷しており、そこからリーグ4位、チャンピオンズリーグ決勝と就任してすぐに結果を出せた。一つの要因としてアントニオ・コンテ時代に構築した3421をベースとして活かしたことも大きい。少ない残り時間を1から戦術を落とし込むことなく、ディティールを明確にすることで見事にチームを復活させていった。そうしたチーム構築における引き出しの多さや柔軟性も特徴的と言える。
主な戦術・フォーメーション
ポゼッション志向
原則根底にあるのはポゼッションサッカーだが、ドルトムント時代にはスピード系キャラクターを活かしたカウンターでも実績を出している。
433ベース
あくまでベースとしてだが、ドルトムントやPSGでは433が多い。
フォーメーション変更が激しめ
ドルトムント時代には顕著だったが試合ごとにコロコロフォーメーションを変更する。また、433で配置スタートしても、気づけば4231や3421に変更されていることも多い。対戦相手やシチュエーションによりフォーメーションを細かく配置変更する特徴を持つ。
チェルシー 2021/22シーズン ベストメンバー
監督データ
名前 name |
トーマス・トゥヘル Thomas Tuchel |
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国籍 country |
ドイツ |
生年月日 birthday |
1973年8月29日 |
指揮チーム team |
2009-2014 マインツ 2015-2017 ボルシア・ドルトムント 2018-2020 パリ・サンジェルマン 2021-2022 チェルシー 2023- バイエルン・ミュンヘン |
マネジメント management |
スター選手にもコミットさせる。管理強めで衝突もしばしば。 |
政治力 politicalpower |
ドルトムント時代(解任)を見ると我が強く揉めがちな印象 |
育成力 fostering |
中堅クラブでも実績あり。ドルトムント時代は主力青田買い後もデンベレやギュンドアンなど当時の若手を起用し2位フィニッシュしている。 |
補強力 reinforcement |
派手な補強はあまりない。どちらかというと戦術落とし込みに力を注ぐ。 |
その他データ
服装 dress |
ジャージ多め。ダウンベストみたいなのも時々着用。 |
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趣味 hobby |
– |
影響を受けた人物 affected |
ラルフ・ラングニック |
名言
100点満点で95点をつけるくらいのプレーを試合で見せたとしても、お前のような能力を持った選手なら残りの5点を追求しないといけない。
https://number.bunshun.jp/articles/-/216536
参考URL
トーマス・トゥヘル – Wikipedia
マインツに息づくサッキ流【後編】ドイツ屈指の「指導者養成所」に